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2030年までに義務化されるZEH水準の省エネ住宅とは?戸建住宅ZEHとの違い。
住まいのお役立ち情報補助金や制度2024/12/05
2050年に向けたカーボンニュートラルの実現という国の目標を達成するため、住宅分野でも省エネ基準の強化が進められています。2025年には省エネ基準の適合が義務化され、2030年にはその基準が「ZEH水準」に引き上げられる見込みです。このような背景の中、住宅やその他の建築物における省エネ(=脱炭素)は、現在の国家政策の重要な一環として位置付けられています。
エルハウジングが手がける建売住宅は「ZEH水準」に適合した省エネ住宅です。※着工日により一部異なります
これから、ZEH水準の特徴やそのメリット、さらには『ZEH』住宅との違いについて詳しくご説明いたします。
「ZEH水準」と『ZEH』住宅の違いについて
「ZEH水準」と『ZEH』住宅は似たような名称ですが、実際には異なる意味を持っています。この違いについて混乱が生じることがありますので、しっかりと理解しておくことが重要です。
基本的に、「ZEH基準の水準」、「ZEH水準」、「ZEH相当の水準」、「ZEHレベル」、「ZEH基準相当」は同じ意味で使用されます。政府は、2050年にカーボンニュートラルを実現するため、2030年以降に新築される住宅が「ZEH水準」に相当する省エネルギー性能を備えることを目指しています。
エルハウジングの資料では「ZEH水準省エネ住宅」と記載しております。
ZEH水準住宅とは?
「ZEH水準」とは、一定の省エネルギー性能を備えた住宅を指します。
具体的には、断熱等性能等級5および一次エネルギー消費量等級6の基準を満たす住宅で、再生可能エネルギー(例えば太陽光発電)の導入は必須ではありません。これは、政府が2030年以降に新築される住宅に対して目指している性能水準です。
『ZEH』住宅とは?
一方で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅とは、住宅の高断熱化と高効率設備により、省エネルギーを最大化し、さらに太陽光発電などを導入してエネルギーを創出することによって、1年間で消費する一次エネルギー量が実質的にゼロ以下とすることを目指した住宅です。『ZEH』住宅は、再生可能エネルギーを利用し、消費エネルギーの削減だけでなく、エネルギーの創出も行うことが特徴です。
「ZEH水準」と『ZEH』住宅の違い
ZEH水準住宅:断熱等性能等級5および一次エネルギー消費量等級6を満たす性能を有しますが、再生可能エネルギー(太陽光発電等)の導入は必須ではありません。
『ZEH』住宅:再生可能エネルギーを導入し、住宅の一次エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す住宅です。そのため、太陽光発電システムなどの導入が不可欠です。
このように、「ZEH水準」と『ZEH』住宅は異なる要素を持っていますが、どちらも省エネ住宅として重要な役割を果たします。どちらの基準も、今後ますます進化していく省エネ社会において、住宅の選択肢として重要になっていくでしょう。
ZEH水準の省エネ住宅のメリット
①費用が抑えられる
ZEH水準の省エネ住宅の大きなポイントは、太陽光発電システムを導入することなく、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を同時に達成する点です。これにより、ZEH住宅に比べて太陽光発電の導入にかかる追加費用を抑えることができ、その分を他の設備や工事に充てることができます。このメリットにより、ZEH水準の省エネ住宅は費用を効率的に抑えつつ、省エネ性能を高めることができる魅力的な選択肢となります。
②光熱費の削減
高い断熱性や高効率設備を採用することで、日常的に使用するエネルギー量を大幅に削減できます。これにより、光熱費の負担が軽減され、長期的に見て経済的にお得です。また、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内環境が保たれるため、年間を通して快適に過ごせる点も大きなメリットです。
③優遇制度によるお得な特典
現在、ZEH水準の省エネ住宅には、さまざまな優遇制度が適用されています。具体的には以下の特典があります。
◇住宅ローン減税・控除
住宅ローン減税(正式名称:「住宅借入金等特別控除」)は、個人が住宅ローンを利用して一定の条件を満たす場合に、所得税の控除を受けられる制度です。
この制度では、マイホームの新築・取得・増改築を目的として住宅ローンを組んだ場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部は翌年の住民税)から最大13年間控除できます。
ただし、13年間の控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。対象となる住宅の基準や所得制限などが設けられているため、制度を利用する際は事前に確認することが重要です。
▼控除率:各年末の住宅ローン残高の0.7%(控除期間:最大13年間)
対象の住宅 |
借入限度額 | |
2024年度(令和6年)入居 | 2025年度(令和7年)入居 | |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
子育て世帯・若者夫婦世帯:5,000万円 その他の世帯:4,500万円 |
4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯:4,500万円 その他の世帯:3,500万円 |
3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 子育て世帯・若者夫婦世帯:4,000万円 その他の世帯:3,000万円 |
3,000万円 |
その他の住宅 (省エネ基準を満たさない) |
0円 ※2023年12月31日までに建築確認を受けているものは借入限度額2,000万円・控除期間10年 |
住宅ローン減税は家計にとってメリットがありますが、条件を満たさなければ適用されません。常に最新情報をチェックして、ご自身が購入予定の物件の「省エネ性能」や「建築確認の日」も併せてご確認ください。
≫過去の記事「住宅ローン減税で還元される税金はいくらか?」
参照:国土交通省HP「https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001714809.pdf」
◇フラット35
【フラット35】とは民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した最長35年の全期間固定金利住宅ローンです。お申込ご本人またはそのご親族の方がお住まいになる新築住宅の建設資金・購入資金または中古住宅の購入資金にご利用できます。
省エネルギー性能の優れたZEH水準の省エネ住宅を取得する場合、一定期間金利が引き下げられるフラット35Sが利用できます。
▼金利引き下げメニュー(2025年3月31日までの申込受付分に適用)
対象 | 期間 | 金利引き下げ幅 |
【フラット35】S(ZEH) | 当初5年間 | 年▲0.75% |
【フラット35】S(金利A) | 当初5年間 | 年▲0.5% |
【フラット35】S(金利B) | 当初5年間 |
年▲0.25% |
2024年2月には、若年夫婦世帯や子育て世帯を対象とした【フラット35】子育てプラスが登場し、金利の引き下げ幅が最大年-1%に拡大されました。さらに、【フラット35】Sや地域連携型との併用も可能なため、固定金利型の安心感を活かした返済計画が立てやすくなっています。
≫参照:フラット35HP「https://www.flat35.com/loan/flat35s/index.html」
◇住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
住宅取得に関する負担を軽減し、良質な住宅の普及を促進するために、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置が3年間延長されました(令和6年1月1日~令和8年12月31日まで)。
この制度は、父母や祖父母などの直系の親族が、子や孫に住宅取得資金を贈与する場合に、一定の金額まで贈与税が非課税となる特例です。通常、親などから資金の贈与を受けると、基礎控除(年間110万円)を超える部分には贈与税がかかります。しかし、この非課税特例を利用することで、住宅取得資金に関しては税負担を大幅に軽減することができます。
▼住宅取得資金等の贈与税の軽減の概要
住宅取得等に係る契約の締結日 | 2024年1月1日~2026年12月31日 |
質の高い住宅 | 1,000万円 |
その他の住宅 | 500万円 |
ただし、ここでも省エネ性能の高い住宅とその他の住宅とでは、非課税限度枠に差が付けられています。
非課税限度額が1,000万円に上乗せされる「質の高い住宅」の新築住宅の要件については、ZEH水準(断熱等性能等級5以上(結露の発生を防止する対策に関する基準を除く。)かつ一次エネルギー消費量等級6以上)となっています。
※令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅又は令和6年6月30日までに建築された住宅については、 現行要件(断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)のまま。
≫参照:国土交通省HP「https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html」
ZEH水準の省エネ住宅の特徴や、戸建住宅におけるZEHとの違いについて、ご理解いただけましたでしょうか。
これらのメリットを活用することで、ZEH水準の省エネ住宅は、初期費用の抑制だけでなく、長期的なコスト面でも非常に優れた選択肢となります。
エルハウジングでは、各部位に断熱効果の高い部材を使用することで、夏は涼しく、冬は暖かい、快適な住環境を実現しています。また、防湿効果にも優れているため、雨の季節でも室内を快適に保つことができます。年間を通して心地よく過ごせるよう、さまざまな工夫が施された住まいをお届けいたします。
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