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住宅の「2面採光」や「3面採光」のメリットとは?
NEW間取りのアイデア2025/05/08
家を建てるときや物件を探すときに、よく目にする「採光(さいこう)」という言葉。これは、室内に自然の光を取り入れることを指し、日本では建築基準法によって、人が生活する空間には一定以上の自然光を確保することが義務付けられています。
なかでも「2面採光」や「3面採光」といった言葉を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
2面採光は、ひとつの部屋に異なる2方向から光が入るように、2つ以上の窓が設けられている間取りのことをいいます。3面採光になると、3方向から光を取り込めるため、より多くの自然光が部屋の中に届きます。
「窓が多い物件は人気がある」と聞いたことがあるかもしれませんが、それにはちゃんとした理由があります。今回は、2面採光・3面採光のあるお家のメリットについて、わかりやすくご紹介していきます。
建築用語の「採光」とは
「採光」とは、建物の内部に自然の光を取り込むことを指し、主に窓などの開口部を通じて屋外の明るさを室内に採り入れるものです。日本では、建築基準法により、建物の用途に応じて、居室には一定の採光面積が確保されていることが求められており、室内環境の快適性を保つうえで重要な要素とされています。
2面採光とは
その中でも「2面採光」とは、一つの部屋に対して2方向以上から自然光を取り込めるよう、2つ以上の窓が設けられた間取りを指します。たとえば、東側と南側に窓がある場合、朝から昼過ぎまで自然光を十分に採り入れることができ、部屋の明るさや開放感が大きく向上します。
物件情報で「全居室2面採光」と記載されている場合は、すべての居室に2方向以上の窓が設けられており、日中の採光性に優れた住まいであることを示しています。
▼全居室2面採光の間取り例
「全居室」という言葉は、家の中で居住空間として継続的に使用する全ての部屋を指します。リビングや寝室その他個室も全居室に含まれます。
トイレや浴室、洗面所など非居住空間は含まれません。
3面採光とは
一方、「3面採光」は、1つの住戸が3方向に外壁を持ち、それぞれに窓が設置されている構造を意味します。特に一戸建て住宅では、リビングなどの主な生活空間に3方向から自然光を取り入れることで、一日を通して室内が明るく、かつ風通しの良い快適な空間を実現できます。
3面採光の部屋は、光が複数方向から差し込むことで陰影が少なく、広々とした印象を与えるため、家族が集まるリビングにぴったりの設計です。また、明るい環境は、湿気やカビの発生を抑えるという衛生的なメリットもあります。
3面採光のリビングは、家族が集まる住空間に魅力的な光と開放感をもたらしてくれます。家族や友人と過ごす贅沢な空間となるでしょう。
2面採光・3面採光の住宅のメリット・デメリット
2面・3面採光の住宅には、採光性に優れた快適な住環境を提供するというメリットがあります。自然光に満ちた明るい室内は、日中の照明使用を減らせる可能性があり、気分の向上にもつながります。また、窓を複数設けることで通気性が良くなり、空気がこもらない住空間をつくることができます。
ただし、その一方で、窓が多いという点はプライバシーの確保に対する課題もあります。外からの視線が気になる場合には、目隠しの工夫やカーテン、ブラインドの設置が必要となり、その分コストもかかります。さらに、窓の面積が広がることで、外気の影響を受けやすくなり、冷暖房の効率が下がりやすい点も留意すべきポイントです。加えて、採光の効果は窓の向きや周辺環境にも大きく左右されるため、2面・3面採光であっても隣接する建物に遮られてしまっては、十分な明るさを確保できない場合もあります。
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このように、採光の多い住まいには快適性と利便性を高める多くのメリットがありますが、設計上の注意点や立地とのバランスも大切です。住宅を選ぶ際には、図面上の情報だけでなく、実際の日当たりや窓の位置・大きさなども現地で確認することをおすすめします。
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