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コラム
駐車スペースの違い・カーポートやガレージを増築する際気を付けること
間取りのアイデア2024/02/28
住宅を購入する際に、ほとんどの方が気になる「駐車スペース」についてご紹介します。
駐車スペースでみなさんが気になる点は、まず「何台車が停められるか」という点、それから「屋根があるか・設置できるか」という点です。
駐車スペース付きの住宅を購入したとして、後から「カーポート」を設置したいと思った場合、どのような手続きが必要なのか。
また、カースペースとカーポートの違いについて簡単に解説します。
駐車スペースの種類
「カースペース」は、車を置ける空間です。
屋根があるものは「カーポート」、
屋根や壁で囲まれたものは「ガレージ」と呼ばれます。
また、基本的に自宅以外の車両を駐車するための場所のことを「駐車場」と呼びます。
カースペースとは
屋根がない車を止める自宅のスペースを「カースペース」といいます。
これは住宅用語で、柱や壁、屋根がない自宅の車庫のことを指します。
弊社が建築する建売住宅のほとんどが、カースペースが付いた住宅です。
カーポートとは
屋根のある駐車スペースは、上から降る雨よけになります。
カーポートは上から降る雨や雪、紫外線から車を守ってくれます。
壁に囲まれたガレージ(車庫)に対して、カーポートには屋根や簡易的な雨よけがついており、本体代だけでなく、施工費用も抑えられるのが特徴です。
建築業界では、屋根付きの駐車場を意味します。
設置時には建築確認申請が必要になるケースもあります。
カーポートの種類
・片側支持タイプのカーポート …柱を左右どちらかに設置されます。
・両側支持タイプのカーポート(上記写真添付)…両側に屋根を支えるための柱が設置されます。片側支持タイプよりも強度があり、複数台の駐車に対応しています。
・後方支持タイプのカーポート …車両の後ろ側に支柱が設置されます。前方に柱がないので、車の出し入れが楽なのが特徴です。
また、屋根の形には、丸い形状のラウンドタイプや平らなフラットタイプなどがあります。
各家庭により、所有する車の台数や用途・目的が異なるため、おすすめのカーポートも変わってきます。
カーポートを増築する際の注意点
違反建築物の所有者などは、自己の責任において違反カ所を適法化する必要があります。
建物完成後にバルコニーやカーポートを設けることは増築に当たる場合があり、建築確認申請が必要となることがあります。
建築確認申請が不要な場合でも、建ぺい率や容積率の最高限度を超過しないなど、建築基準法を順守しなければなりません。
ビルドインガレージとは
周囲が壁で囲まれており「車庫」とも呼ばれます。
ガレージにはシャッターや扉がついており、中は完全に四方を囲まれた車用のお部屋のようになります。
お家の1階部分にあたる場所に駐車スペースを設けます。
「ビルドガレージ」「ガレージハウス」ともよばれています。
カーポートに比べて扉が付いているので防犯性が高く、中のものを守ってくれます。
▼当社施工例
ガレージを増築する際の注意点
ガレージであっても“建築物”と認識されれば原則、建築確認が必要です。
建築確認は、主に家の新築やリフォーム(10㎡以上の増築)を対象として行われます。
また、要件を満たすことで建築確認が不要となります。
▼建築確認が不要な要件
・10㎡以下の建築物の場合、建築確認が不要
・建築位置が防火地域、もしくは準防火地域ではないこと
つまり、10㎡以下の建築物であっても、防火地域もしくは準防火地域内に建築する場合は、建築確認が必要となります。
ただし、通常の建築確認申請は、設計事務所や施工会社が行うため、建主様が手続きをする必要はありません。
条件次第では固定資産税の課税対象となります。
固定資産税の課税対象は「土地と建物」とされているため、ガレージも建物として認識されれば固定資産税が発生します。
「土地固着性」「外気防断性」「用途性」の3つの要件をすべて満たせば、ガレージも固定資産税の課税対象になります。
・土地定着性 … 建物が基礎などで土地に定着していること。
・外気分断性 … 屋根と三方向以上の壁で囲われていること。建物の外部と内部を区別していること。
・用途性 … 建物が居住や作業など特定の目的や用途を持っていること。
ガレージの種類や条件によって固定資産税が発生するものとしないものに分かれますのでご注意ください。
屋根がある駐車スペース(カーポート・ビルドインガレージ)のメリット
①雨の日の乗り降りがらく
雨の日の車の乗り降りがスムーズにできます。
小さなお子様がいるご家庭や、介助が必要な方がいらっしゃる場合など、雨の日に傘をさしながらの車の乗り降りは大変です。
買い物後の荷物の降ろし作業も、屋根があると安心です。
②愛車がきれいに保てる
大切な愛車を鳥の糞や雨での汚れ、PM2.5や黄砂などから守り、車の劣化を防ぎます。汚れにくいということは、洗車の回数が減ります。
紫外線や熱波をカットするので、お車の塗装の劣化や車内のシートの日焼けも防ぐことができます。
カーポートはもちろん、雨風から車を守ってくれますが、横に壁がないため、強風・豪雨の日はどうしても汚れてしまいます。
車好きの方には、特にビルトインガレージがおすすめです。
屋内とガレージが直接行き来できると導線がよく、いつでもメンテナンスが可能です。
③倉庫やDIYスペースとして利用できる
屋外に屋根があると、駐車スペースとしてのみならず、大きな荷物の一時的な置場や、家族の自転車やバイクの置場、暑い夏には直射日光を避けてプールで遊んだり、DIYスペースとしても活用できます。
④車内の熱対策
真夏に車を直射日光の下に駐車していると、ハンドルなどが熱くなったり、エアコンの効きが悪くなるなど、車内は非常に暑くて汗だくになる…そんな経験はありませんか?ガレージの中に車を停めておけば、真夏の暑さから車を守ることができます。
⑤寒い日の下・雪対策
朝、仕事へ向かおうとすると「車のガラスが凍っていた」という経験はありませんか?慌てて溶かそうとしたところで、なかなか時間がかかるものです。カーポートやガレージは霜対策になります。
屋根がある駐車スペースのデメリット
①施工費用がかかる
カーポートの設置やガレージの建設工事に費用が掛かります。
設置時に建築確認申請が必要になるケースがあります。
②陽当たりが悪くなる
カーポートの真後ろに窓がある場合や、カーポートを設置することで、日当たりが悪くなる可能性があります。
玄関先などで植物を育てる場合、雨や日が当たらないことで枯れてしまう可能性があります。
③大雨や強風時の屋根の音
カーポートの素材によっては、雨粒が屋根に当たる音や、強風にあおられてバタつくパネルの音が気になるかもしれません。
④カーポートの屋根の掃除が大変
車を汚れから守ってくれる一方で、カーポートは屋外に設置されているため汚れやすく、その原因はさまざまです。
汚れを放置すると落としづらくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一概に「自宅の駐車場」と言っても、カースペース・カーポート・ガレージといった種類があります。
設置条件によっては、建築確認が必要なケースもあります。
ご家庭で所有する車の台数や生活スタイルに合わせて、カースペースのある住宅を選ぶか、屋根付きのカーポートまたはガレージを設置するか、ご検討ください。
≪関連リンク≫
≫参照:京都市ホームページ/違反建築物等について「https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000292086.html」
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